2015/06/30 松本

毒

何らかの理由で精神的に病んでしまった人に対して、

「私はもっと大変な目に遭ったことがあるが平気だった。それはつまり彼らが弱いからだ!」

というような言葉をたまに聞くので、今日はそのへんの誤解について書いてみようと思います。


誤解の原因を簡単に言いますとダメージの性質が異なることです。皆さん、突然過去の恥ずかしい記憶が蘇り、布団をかぶって「うわー!」とか叫びたくなることがありませんか? これがいちばん身近にその性質の違いを感じられるポイントです。

通常のダメージは一回きりしか発生しませんが、精神的ダメージは継続的に発生します。ドラクエ(ゲーム)で例えると「毒」の状態なわけです。そのため、きっかけはカスリ傷であっても「解毒」しない場合は死ぬ可能性だってあります。

じゃあなぜ継続的ダメージが発生するかというと、自分の価値観で自分自身を責め立てているからですね。例えば、人前で失敗した過去が何度も思い起こされてしまう人は、「失敗をしてはいけない」という価値観で、人前で恥をかいた過去が何度も思い起こされてしまう人は、「恥をかいてはいけない」という価値観で自分を責めています。

「自分で自分を責めているならそれこそ自己責任じゃないか!」

とおっしゃる方もあるかもしれませんが、人の価値観なんてのはその人の周囲の数人の価値観の寄せ集めだったりしますから、自分自身を責めさせている価値観はあなたの価値観であるかもしれないのですよ。

さて、最後に解毒方法についてですが、「解毒」するためにはその人の価値観を別の価値観に更新する必要があります。例えば「失敗すればするほど、恥をかけばかくほど人間は成長するんだから、そんなもんいくらやってもいいんだよ!」とかですね。
もっとも口だけなら何とでも言えるので、誰かがそれを行動で示さなければ伝わりはしないのですけれど。


カラオケでよく「巫女みこナース ~愛のテーマ~」という大変恥ずかしい曲を歌います。アニメ声で。これを歌うと

「松本さんって頭おかしいんですか?」

と聞かれますが、

「そこにはこんな深い理由があったのだよ!」

ということに しましたので、皆様その旨ご承知くださいませ。

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